2018年10月29日月曜日

トヨタ財団広報誌

私のまなざし 22
ヤマビルとの共生から社会を考える   文・写真★渡邉悟史
蒸し蒸しとした夏の日、山道に棒立ちの私の足元で友人が「来た、来た、3匹、4匹」
と騒いでいる。来ているのはヤマ蛭。数センチの身体を尺取り虫のように動かしながら
這寄る。二酸化酸素、熱、振動に反応し、人間を含むいろんな動物の血を吸うパラサイトである。
私の体は彼らのエサである。人間たちのそれとは異なる強烈な「視線」に晒された私の体は、まるで自分のものではないかのように思う。

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